No.604【チーフの自信作】 Uncategorized X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.12.19 勤務していたホテルの宴会料理はレベルが高かった。特に洋食が秀逸だった。温かい料理を担当する〈ホット場〉と、冷たい料理を担当する〈コール場〉とに分かれているのだが、双方ともにいい料理を提供していた。ある日〈ホット場〉のチーフが腕に寄りを掛けて〈グリンピースのポタージュスープ〉を作り、小宴会のメニューに加えたことがあった。そのスープは〈コーンスープ〉を薄緑色にした感じで、徹底的に裏漉してあるので非常に滑らかなものだった。チーフが自信タップリに言う。「今日のスープは旨いでぇ❗️残ったらお前チョッと味みてみ」・・・・・・・やがて10名程のフレンチコースがスタートした。オードブルに続いていよいよスープが提供される。スープチューリンでお客様にスープを配り終えてバックヤードに戻ってきた僕は、チューリンに残っているスープを少し飲んでみる。そして率直な感想を述べた。「ん~~チーフが言う程、そんなに旨くないなぁ」「なんやとぉ❗️」〈えっ?❗️〉居なかったと思ったチーフが真後ろにいたのである。絶句した。(スープチューリン:10人分くらいのスープを入れる壺のような形をした金属製の容器)
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