No.53【善意の結末】

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中学の同じクラスに「松っちゃん・竹ちゃん」という、目出度い名前の双子の兄弟がいた。
ある日の英語の授業でのことである。英語の先生は、恐い男の先生と優しい女の先生がいたのだが、残念ながら僕たちのクラスは恐い方の先生に習っていた。
その日は「色」の勉強だった。
・・・・・・・・・・・
「Good morning, ladies and gentlemen.」
「グドゥモーニングサー!」
「はい!今日は色々な色を英語でなんというのかを勉強します。みんな知ってるだろうが発音が大事なんだからな」
先生はそう言って黒板にチョークで、赤・白・黒・青・緑・黄などと書いた。
「はい!赤は、Red!みんな続けて言って下さい、Red!」
「レーッドゥ!」
「Red!」
「レーッドゥ!」
「Good !はい!Nextword・・・白・・白は・・White!White!はい!」
「ホワイトゥ!」
「NO、NO、NO!White!」
「ワイトゥ!」
「Good !Verygood!じやぁ、黄色、黄色を英語でなんというか分かるかなぁ?・・・ん~君・・え~〇〇の兄のぉ・・」
「先生~っ!そっちは弟の竹ちゃんです~」
教室中から声が挙がる。
「おっ!そ、そうか!じゃぁタケ!答えてみなさい」
いきなり竹ちゃんが指名された。仕方なく立ち上がったのだがモジモジして答えない。どうやら知らないようだ。後ろの席の兄の松っちゃんが励まそうとしてささやき始めた。
《竹ちゃん、き・い・ろっ!黄色だよ、き・い・ろー!》
すると竹ちゃんが答えた。
「キイロゥ!」
「Don’t be silly.!フザけるんじゃないぞっ❗️」
フザけてないのに怒られた。
(写真は引用でイメージです)

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