〈金山寺味噌〉という、佃煮のようにご飯と一緒に食べたり、酒の肴にしたりする〈なめ味噌〉がある。大人なら喜んで食べる人が多いのだが、子供の口にはあまり合わないのかもしれない。
家内が幼少の頃である。家内の父親は〈金山寺味噌〉がメッポウ好きで、家族にも奨めたそうである。
ところが、その父親の味噌攻撃は子供達にも及んだものだから、まだ小さかった家内はそれが嫌で嫌で堪らなかったらしくて、とうとう味噌嫌いになってしまったというのだ。
だから、僕と結婚した今でもそれは続いていて、味噌汁もそんなに好きではない。日本人の大きな楽しみの１つを失っている。
当然、ラーメン屋に行くにしても〈味噌ラーメン専門店〉には入らないし、味噌・醤油・豚骨・塩などが選べる店に入っても、彼女は大好きな〈豚骨ラーメン〉を食べるのであって〈味噌ラーメン〉は絶対に注文しないのだ。
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