No.547【野球の解説者】

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プロ野球シーズンになると、俄然、家内と息子のテンションが上がる。

僕はさほどでもないが、家内と息子はプロ野球が大好きなのだ。そして、贔屓のチームを熱烈応援する。

今日もナイター中継に見入っている。

パソコンと睨めっこしている僕の耳にはボンヤリと音声だけが聴こえてくる。

するとテレビから変な声がした。

「クェ~~~~ッ❗️」

息子に訊いてみた。

「なんだ?今の声は」
「球審のストライクコールだよ」
「はぁ?全然ストライクって聴こえないじゃないか」
「この球審はこれが売りかもね」
「まるで鶏が喉を絞められたみたいだな」
「それより、今日も父さんの大嫌いな解説者が出てるよ」
「〇◆◎■☆かぁ・・どうでもいいわ」


・・・・・・・

この解説者、現役時代には名を馳せた選手に違いないのだが、如何せん解説がお粗末極まりないのだ。お粗末と言うよりも聞いていて腹が立つと言った方が当たっているかも知れない。

何故か・・・

例えば実況のアナウンサーが何かを言う。

「〇◆さん、ここはやはり◇◇◇しかありませんよね」

するとこう言うのだ。

「まぁ・・そうですよね」

と、相槌は打たずに続いてこう言うのだ。

「◇◇◇しかありませんね」

なんのことはない、結局は実況アナウンサーと同じ見解を述べるのだ。それを毎回繰り返すのである。アナウンサーの憤りが伝わって来ようというものだ。

口癖なのだろうが、〈と言うよりも〉とか〈まぁ・・そうですね〉とか、まずは否定して掛かるのだ。聞いていて実に不愉快になってしまう。〈まぁ〉は要らない。
喩え異論があろうとも、お愛想でも相槌を打ってから意見を言うのがエチケットをわきまえた会話というものだ。

全般的な解説にしても、何があった、誰がこうしたなどと、見た目通りの、素人でも出来るような説明をダラダラとしゃべるばかりなのだ。

そして、ピッチャーがボールを、いま投げようとする時なのに話を止めようとしないこともあるのだ。明らかに邪魔である。実況アナウンサーはそれを強引に無視して戦況を実況するのだ。

そんな案配なのだから、僕は見ていて聴いていて腹が立つのである。もっとマシな解説者はいないのか、とイライラしてくる。

・・・・・・・

これは解説者の話ではないのだが、やがて試合が終ってからでも呆れることがあるのだ。それはTV局アナウンサーによる〈ヒーローインタビュー〉だ。

大抵がこうだ。

「放送席、放送席❗️ヒーローインタビューです❗️今日のヒーローは見事な完投勝利をあげた★★投手です❗️」

会場がどよめく。

〈ワ~~ワ~~~ワ~~~〉

アナウンサーがインタビューを始める。

「完投勝利、おめでとうございます❗️今の気持ちはどうですか❓️❗️」

そこで僕は思うのだ。

〈嬉しいに決まってるだろ❗️プロならもっと気の利いた質問をしろっ❗️〉

・・・・・・・

だから、会話の基本がなっていない解説者や素人みたいなインタビューしか出来ないアナウンサーにはいつもイライラさせられる〈頑固な〉僕なのである。

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