No.102【カブ】

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小学生の時である。
日曜日に友達数人で中学校のグラウンドに遊びに行った。グラウンドでは高校生のお兄ちゃん達3人がカブ(HONDA―スーパーカブ号)に乗って遊んでいた。
当時は自家用車の普及もまだまだで、バイクでも珍しいような時代だった。
世相は実に朗らかで、高校生が中学校のグラウンドでカブの無免許運転をして遊んでいても、取り分けてお咎めなどはなかったのであった。
『ビ~~ンビンビンビン・・パスッ!・・・・』
お兄ちゃんが乗っていたカブがエンストして止まってしまった。
他の2人のお兄ちゃんがカブのところに駆け寄っていったので僕達もあとに付いていった。
乗っていたお兄ちゃんがカブのスタンドを立てながら言う。
「調子が悪いなぁ~・・」
「キャブレターか?燃料がいってないんだろ!」
「バッテリーは関係ないよなぁ」
お兄ちゃん達は原因の究明に余念がないのだが、その時、しゃがんでエンジンを見詰めていた友達のひとりが、人差し指でエンジンのフィンを触ろうとしていた。
それに気付いたひとりのお兄ちゃんが注意をする。
「お~コラッ❗️触るなよ!触るなよ!熱いから触るなよ!ヤケドするから触」
《ジュッ!》
「あっつ❗️」
触って火傷した。
「だから触るなって言っただろ!バカッ!」
お兄ちゃんに怒られた。

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