2022-09

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No.267【高速道路の変】

その日は、出張先の奈良のホテルを朝早く出て〈西名阪自動車道〉を〈山陽自動車道〉方面に向けてクルマを走らせていた。朝の出勤時間帯だったので、カーナビのVICSは渋滞の警告を表示している。道路脇の道路情報を知らせる電光掲示板にも渋滞の知らせが出...
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No.266【枕の修繕】

愛用している枕なのだが、どうも最近シックリこない。頭が沈みすぎて首を傷めてしまった。寝ていて首筋を傷めることはタマにはあることなのだが、今回のは特に酷くて、それこそ首が回らないのだ。僕の枕は〈蕎麦殻〉の替わりにストローを小さく切ったような樹...
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No.265【少女漫画】

その頃の漫画雑誌の定番といえば〈少年マガジン〉〈少年サンデー〉〈少年キング〉などであった。片や少女漫画では〈少女フレンド〉〈マーガレット〉〈なかよし〉などが人気だった。僕は当然少年漫画に夢中で、やたらに目のデカイ女と、女のような男が登場して...
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No.264【ミドリちゃん】

僕がバイトをしていたファミレスには、〈ミドリちゃん〉という18歳の、それは可愛い女の子がいた。今で言うフリーターなのだが、当時はそんな言葉もない。なんでも家庭環境が複雑だということは聞いたことがあったが、詳しい事情を知っている者は誰もいなか...
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No.263【表札】

東京の滝野川に住んでいた若い頃である。ある日、友人がやって来てこう言った。「あのさぁ、こないだ東十条を歩いてたらさぁ、お前と同んなじ名前の表札の家があったんだぞ・・苗字だよ」同じ苗字の表札なんて、広い東京だからあってもおかしくはない、という...
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No.262【義姉の出産】

家内の兄夫婦に初めて赤ちゃんが生まれた時のことである。安定期も過ぎて、いよいよ出産も近づいてきたある日のことだった。エコー検診で、赤ちゃんの首に臍の緒が巻き付いていることが判明した。予定日まではもう少し日があったので、暫くは様子を見てみよう...
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No.261【地震】

子供たちがまだ小さい頃のことである。買い物から帰って来て家族で寛いでいた午後だ。突然グラグラグラッと家が揺れた。大きな揺れだ。僕は思わず声を挙げる。「地震じゃ~っ❗️ガス消せ~っ❗️」床も壁もガタガタと軋んでいる。恐ろしく揺れている。わーわ...
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No.260【素直な子供】

ある家庭での話である。父親が3歳の娘に〈お菓子〉を与えたそうだ。「〇〇ちゃん、はいこれあげよう、食べなさい」すると娘はこう言った。「ママにきいてくる~」誰がイニシャティブを握っているのかはシッカリと把握している娘であった。父親としてはなんと...
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No.259【深夜のファミレス】

1日200万円強の売上げがあるファミリーレストランは、深夜になっても客足が途絶えることがなかった。そのファミリーレストランの客席は、L字型に〈A〉〈B〉〈C〉の3つのフロアに区切ってあった。忙しい中、それでもタマには客足が落ち着いて〈B〉や...
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No.258【200万ファミレス】

貧乏な若者が採用されたアルバイト先は、都内でも屈指の超多忙なファミリーレストランであった。接客という仕事が初めてだったので戦々恐々であった。当初はメニューと価格を覚えるだけでも大変だった。当時の伝票は手書きだったので覚えておかないとお客様の...