2022-09

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No.207【ポインター犬】

伯父さんの趣味は〈山鳥〉を撃ちに行くことだった。狩猟免許を取って、ポインターという猟犬を3頭ほど飼っていた。よく山撃ちに入った時の話をしてくれた。山鳥を見付けてくれるのは猟犬だ。犬を連れて山の中を歩いていると、猟犬たちの動きが忙しくなってき...
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No.206【歯磨きチューブ】

家内が新しい歯磨きチューブを買ってきた。なんだか懐かしい味がする歯磨きだ。《ん~~この味はどこかで覚えのある味だなぁ》家内に訊いてみた。「お~い、この歯磨き、なんかの味がするんだけどなぁ・・おっ!そうじゃ!小学校の時の肝油ゼリーの味かぁ❗️...
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No.205【江戸の風呂】

江戸時代の風俗・慣習には実に興味深いものがある。江戸の銭湯は元々は混浴だったのだが、《寛政の改革》をやった、厳格な性格の松平定信が混浴を禁じてから、銭湯が男女別々に仕切られたらしい。禁止令以降の〈湯屋〉と呼ばれた銭湯には〈毛切り石〉なるもの...
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No.204【クルマの試乗】

庶民にとって、クルマは家の次に高価な買い物なのかもしれない。だから、少々は高くついても、キチンとしたディーラーでクルマを買う人も多いのだろうと思う。・・・・・・・結婚して数年が経った頃、子供が3人になった。乗っている4ドアの乗用車では狭くな...
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No.203【本物と贋作】

伊予松山にある〈水月焼〉の窯元を訪ねたことがあった。当時は2代目の女性陶芸家《好川恒悦(よしかわつねえつ)》氏が窯を守っておられた。〈水月焼〉の創始者である初代《好川恒方(つねかた)》は、明治16年に松山で生を受け、95歳で生涯を閉じた陶芸...
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No.202【CT検査】

数年前に大腸癌手術をした僕は、暫くの期間、半年に1回は癌の追跡検診でCT検査を受けなければならなかった。CT検査は、ベッドに寝かされた被検者が、白いドーナッツのようなドームの中を2往復して行われるのだが、その前に〈造影剤〉の注射をしなければ...
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No.201【タコ焼き男】

テレビではドラマをやっている。画面には、風間杜夫が映っている。家内が、風間杜夫を見ては僕をみて、また風間杜夫を見ては僕を見て言った。「お父さん、やっぱり風間杜夫に似てるわぁ・・・」「はぁ?風間杜夫にぃ~?」「うん、風間杜夫っ!」「そりゃ、若...
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No.200【コンソメスープ】

〈コンソメスープ〉というスープがある。琥珀色をした透明な、あのスープだ。固形スープの素も売られているし、ファミリーレストランに行ってもお目に掛かることが出来る。一見、簡単そうなスープなのだが、本物の〈コンソメスープ〉とは、実に手の込んだもの...
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No.199【不細工な友達】

小学校の時、僕がいた3年2組には、不細工な顔をしたY君という友達がいた。要するに、今で言うイケメンには程遠いということだ。「Yくんは産まれた時、産婆さんに顔を踏まれたんじゃろ~っ!」などと皆んなからかわれても、ケロッ!っとして笑っている。か...
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No.198【オデコの傷】

娘が2歳の時である。右眉毛の上に貼ってある〈傷テープ〉を自分で指差しながらしきりに言うのだ。「ダンコオチタノコエ・・・」家内が慰める。「うんうん、〇〇ちゃん痛かったねぇ~・・ダン・・・・?」「ダンコオチタノコエ・・」意味不明の娘の言葉・・僕...